内部リンク設計ハンドブック:ハブ&スポークで資産を育てる(パン屋版)

— 検索・回遊・予約/来店を同時に底上げする“情報の道づくり” —

内部リンクとは「お店の案内表示」のようなものです。
「はじめての方」→「人気パン」→「取り置き」→「受け取り方法」…のように、迷わない道順を先に作ると、検索にも強くなり、予約や来店につながります

ことばの意味

まずは用語の説明。下記の用語で以降の説明が進みます。

  • ハブ:テーマの総合案内ページ(例:はじめてのパン屋ガイド)
  • スポーク個別説明ページ(例:取り置きのしかた、アレルギー表示)
  • クラスター:ハブ+スポークのひとかたまり
  • 内部リンク:自分のサイト内の別ページへ張る道しるべ
[ハブ:はじめてのパン屋ガイド]
 ├─ [スポークA:人気パン紹介]
 ├─ [スポークB:取り置きのしかた]
 ├─ [スポークC:アレルギー表示]
 └─ [スポークD:焼き上がり時間]
(行き来できるよう双方向リンク)
    

内部リンク設計の相関図

フェーズ1|“何を案内するか”を決める
(戦略)

目的を一言で決める

誰に何を伝えて、どんな行動へ進んでほしいか。これを一言で決めると、リンクの位置が自然に決まります。

パン屋の例(目的とゴール)

  • 対象:はじめて来店する人/近所の子育て世帯
  • 伝える:人気パン・取り置き・アレルギー・焼き上がり
  • 行動:取り置き予約 or 焼き上がり時間に来店

やること

  • 誰向け?(例:初来店の人)
  • 何を伝える?(例:人気パンと予約方法)
  • 行動は?(例:取り置きを依頼

テーマを“ひとかたまり”にする
(ハブ&スポーク)

ハブ=入口と目次(メニュー)、スポーク=詳しい説明。辞書の「目次(メニュー)→各ページ」の関係です。

クラスターの考え方(仮説URL)

  • ハブ: /first-time/
    (はじめてのパン屋ガイド)
  • スポーク:
    • /first-time/best-sellers/
      (人気パン紹介)
    • /first-time/reserve/
      (取り置きのしかた)
    • /first-time/allergy/
      (アレルギー表示)
    • /first-time/bake-times/
      (焼き上がり時間)
    • /first-time/payment/
      (お支払い・ポイント)
  • 行動ページ: /reserve-form/
    (取り置き依頼フォーム)

フェーズ2|ページを作る(実装)

ハブ(総合案内)の作り方

ハブは目次(メニュー)つきの案内板。来店前に知りたいことをひと目で選べるようにします。

  1. だれ向け/何がわかる(2〜3文)
  2. 大きな目次(メニュー)(スポークへのリンク一覧)
  3. 各スポークの要点+「詳しく読む」リンク
  4. 写真・証拠(人気パンの写真、口コミ抜粋)
  5. 行動ボタン(取り置き依頼/アクセス)

ハブ冒頭・例:
はじめて当店に来られる方向けのご案内です。
人気パン・取り置き・アレルギー表示・焼き上がり時間がまとまっています。
下の目次(メニュー)から、知りたい項目をお選びください。

スポーク(個別ページ)の作り方

1ページでひとつの疑問を解決。寄り道はさせず、最後に「次の一歩」を必ず用意します。

  1. 導入(このページで何が解決できるか)
  2. 結論→手順(写真や表があるとわかりやすい)
  3. 関連記事リンク2本設置(横断リンク)
  4. ハブへ戻る or 行動ボタン設置

スポーク「取り置きのしかた」
導入・例

お目当てのパンを確実に受け取れる取り置きの方法をご案内します。簡単3ステップ(選ぶ→時間を決める→依頼する)で完了。アレルギーが心配な方は、アレルギー表示ページも合わせてご確認ください。

フェーズ3|リンクを張る(“道”をつくる)

どこに、どんな言葉で張るか

リンクは本文の前半/中ほど/末尾に分散。「こちら」ではなく、中身が想像できる言葉にします。

  • 前半に1本:ハブへ戻る(全体像)例:はじめてのパン屋ガイド
  • 中ほどに2本:関連ページへ(横展開)例:取り置きのしかた / 焼き上がり時間
  • 末尾に1本:行動(取り置き) or ハブへ戻る 例:取り置きを依頼する

用語の意味と使い分け

〔部分一致〕リンク

意味:リンク先の主キーワードを含むアンカー。完全一致でなくてよい(言い換え・助詞つき・語尾違いもOK)。

例(/first-time/reserve/ に張る)

  • 取り置きのしかた
  • パンの取り置き手順
  • 予約の方法(取り置き)

使い所:ハウツーや解説ページへ。読み手にも検索エンジンにも意味が伝わりやすい。

〔自然文〕リンク

意味:文章の流れの中で読んだままクリックしたくなる説明口調のアンカー。必ずしもキーワードを含まなくてよい。

例(/first-time/bake-times/ に張る)

  • 焼きたてに合わせて来店するコツ
  • 売り切れ前に確実に買うための時間帯の目安

使い所:本文中の補足・提案。クリック理由を自然に伝えられる。

〔機能系〕リンク

意味:機能や行動+動詞で表すラベル。ボタン文言に向く。

例(/reserve-form/ に張る)

  • 取り置きを依頼する
  • アクセスを見る(地図)
  • メニューをダウンロード

使い所:問い合わせ・予約・資料DLなどCVページへ。

〔ハブ名〕リンク

意味:クラスターの総合案内の正式名で指す。

  • はじめてのパン屋ガイド

使い所:各スポークの前半 or 末尾に1本。戻り先を明示。

フェーズ4|ナビゲーションを合わせる(補助導線)

本文だけでなく、パンくず/関連記事/サイドバーも同テーマで揃えると、迷いません。

  • パンくず:Home > はじめてガイド >(今のページ)
  • 関連記事:同クラスターの3〜6件を優先表示
  • サイドバー固定:はじめてのパン屋ガイド へのリンク

フェーズ5|回して良くする(運用・計測)

90分“リンク改修デー”(毎週)

新しい記事を増やす前に、既存ページのつながりを直すほうが早く効きます。

  1. 孤立ページに前半のハブリンクを追加
  2. 各ページのH2直後に関連記事2本を差し込む
    例)H2が「人気パンの特徴」の場合
    ◇ 人気パンの特徴
    焼きたての時間に合わせたい方は焼き上がり時間と、初めてでも失敗しない取り置きのコツもどうぞご覧ください。
  3. ハブの目次(メニュー)を最新化(スポークを追加)
  4. 更新日を新しくしておく

どこを見る?(数字はこれだけ)

細かい数字は不要。道が使われているかだけ確認します。

  • Search Console → 内部リンク:ハブ(はじめてガイド)がサイト内上位か
  • GA4:スポーク→ハブの到達率 (例)10% → 15%、1回の訪問でのページ数 (例)1.6 → 2.2
  • CV取り置き依頼アクセス案内などゴールへのリンクのクリックの増加

フェーズ6|やってはいけないこと
(NG集)

  • 同じ言葉のリンクばかり(「取り置き」「取り置き」…) → 言い回しをまぜる
  • 孤立ページ(どこからも行けない) → 前半=ハブ/中ほど=関連記事2本/末尾=行動
  • タグ・カテゴリ乱立 → カテゴリをハブのテーマにそろえ、タグは最小限

付録|“パン屋クラスター”設計図/
テンプレ/HTML

A. 設計図(コピペOK)

  • ハブ: /first-time/(はじめてのパン屋ガイド)
  • 目次(メニュー)リンク: 人気パン/取り置き/アレルギー表示/焼き上がり時間/アクセス
  • スポーク: /first-time/best-sellers//first-time/reserve//first-time/allergy//first-time/bake-times//first-time/payment/
  • CVページ: /reserve-form/(取り置き依頼)、/access/(地図)

B. リンク文テンプレ(そのまま使える)

  • ハブに戻す: はじめてのパン屋ガイド(全体像に戻る)
  • 関連へ広げる: 初めてでも失敗しない取り置き方法焼きたてに合わせて来店するコツ
  • 行動へ進める: 取り置きを依頼するアクセスを見る(地図)

C. 差し込み用HTMLスニペット(軽量)

<p>全体のご案内は <a href="/first-time/">はじめてのパン屋ガイド</a> をご覧ください。</p>
<p>焼きたてに合わせて来店したい方は <a href="/first-time/bake-times/">焼き上がり時間</a> もご確認ください。アレルギーが気になる方は <a href="/first-time/allergy/">アレルギー表示</a> をご参照ください。</p>
<p><a href="/reserve-form/">取り置きを依頼する</a>(本日分の受付は◯時まで)</p>

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