Google広告ミニマム設計:小予算で始める「構造・計測・テスト」の型(初級編)

まずは 小さく作って毎週1つだけ改善。「広げない・盛らない・測れないを作らない」が合言葉です。

  • CPC=クリック1回の料金
  • CV=ゴール(例:お問い合わせ送信・購入)
  • CVR=CV率(CV ÷ クリック)
  • CPA=1件あたりの獲得コスト(CPA = CPC ÷ CVR
  • LP=着地ページ(クリック後に最初に見るページ)

考え方・準備

目標と予算の置き方(出発点)

  • 許容CPA(1件いくらまでOK?)を先に決める。例:1〜4万円。
  • 試験期間:2〜3か月、月5〜15万円で小さく開始。
  • ざっくり試算:CPC 200円・CVR 2% → CPA=1万円200 ÷ 0.02)。
    予算10万円で約10件のCV規模。
判断軸予測CPA(計算値)が許容CPAの範囲ならテストする価値あり。
実績は配信後に必ず確認して微調整。

お金が動かない“安全スタート”

課金が発生しない状態を先に作ります。配信が始まらない設定に整えてからアカウントを再有効化し、準備作業だけを“0円”で進めます。

  1. 既存キャンペーンを 一時停止 or 削除
  2. 新規作成時は 開始日を未来日 にして保存。
  3. その状態で アカウントを再有効化(配信が有効+クリックが発生しない限り課金は0円)。

計測の準備(最重要)

“お問い合わせ送信”などゴールを一本化し、UTMパラメーターで流入を判別。ここさえ整えば、あとは数字を見て直せます。

  • GA4+GTMを導入。
  • CV(ゴール)を1つ決める:リード型は「お問い合わせ送信」からでOK。
  • 同じCVを Google広告側にも登録(インポート or 直接タグ)。
  • UTMパラメーターを付けて流入を識別:
    ?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_campaign=キャンペーン名
※CVを複数にし過ぎると学習がブレます。まずは“1本化”。

Google広告プラットフォーム

最小アカウント構造(30分で作れる)

  1. キャンペーン3本
    1) ブランド(社名)/ 2) 商用意図(サービス×地域)/ 3) P-Max(少額テスト)
  2. 広告グループ(商用意図の中):

    AG1:費用/料金/相場
    AG2:見積(今すぐ層)
    AG3:地域×費用(必要なら)

1グループのキーワード数は3〜8語に抑えると管理が楽。

キーワード設計(狭く正確に始める)

  • 完全一致から開始、補助でフレーズ一致を少量。部分一致は最初は使わない。
  • 初期の除外:(例)無料, 自作, 作り方, 学校, 勉強, 求人, バイト, 未経験, テンプレート, 口コミ, 比較サイト
  • 毎週検索語句レポートを見て、意図ズレは除外、良語句は完全一致へ格上げ

広告文・アセット

 見出し(レスポンシブ検索広告)

  • 実務ベスト:10〜14文字(全角)
    モバイルや狭い枠でもほぼ切れません。
  • 許容レンジ:〜15文字(全角)
    15文字ちょうどは表示面で「…」になることがあるので、14以内が無難。

 説明文(レスポンシブ検索広告)

  • 実務ベスト:38〜60文字(全角)
    情報量と視認性のバランスが良い。
  • 許容レンジ:〜45文字 or 〜90半角相当
    長すぎるとモバイルで省略の可能性あり。短尺版(25〜35字)も1本用意すると出稿面に強い。
  • 本数:3〜4本(最大4本)
    1本はメリット羅列、1本は具体(実績・数値)、1本はCTA強調など“役割違い”にするなど。

説明文例:
戦略設計→情報設計→デザイン→公開後の運用まで一気通貫。フォーム改善やスピード対応に強み。費用の目安も初回で明確に。

 アセット(表示オプション)

  • サイトリンク(リンク名):8〜12文字
    例:料金の目安 / 制作実績 / 相談予約 / 診断(無料)
    説明文(任意)は各25〜30文字×2行を目安(なくても可)。
  • コールアウト:6〜12文字(短く端的に)
    例:短納期対応 小規模OK 保守あり SEO基本対応
  • 構造化スニペット(値):6〜12文字を3〜6個
    見出し:サービス / 提供地域 など
    値:コーポレート 採用サイト EC LP …

実際は枠ごとに表示幅が変わるので、上記は切れにくい安全な目安になります。

ランディングページ

LPのファーストビュー最適化&A/B

  • 価値提案(誰に/何を/どう良い)+ 証拠(実績・ロゴ・レビュー1行)+ CTA(相談・費用を見る)。
  • フォーム最小化(スマホで3画面以内)。電話ボタン(tel:)を目立たせる。
  • A/Bテストはまず“ヒーロー1画面”だけ(見出しをA/Bでテストするなど、1点変更してみる)。
GBP(Googleビジネスプロフィール)の「ウェブサイト」→LP直リンク+LPファーストビューA/BでCVRを底上げできます。

運用・改善

週次・月次の運用ルーチン

週次(30〜45分)

  • 検索語句 → 除外更新/良語句を完全一致へ
  • 予算配分を成果の良い所へ寄せる
  • 見出しを1本だけ差し替え(小さくA/B)

月次(60分)

  • 語句の棚卸し(広げる/絞る)
  • P-Maxの評価(ブランド除外で純増確認)
  • LP A/Bの勝ち案を常設

予算配分の目安(初月)

配分先 目安 メモ
ブランド(社名) 15–25% 取りこぼし防止・競合防衛
商用意図(サービス×地域) 60–75% 主戦場。週次で寄せる
P-Max 10–15% 少額テスト。吸われ過ぎ注意

広告側の落とし穴(先回りで回避)

最初によくあるミスを潰しておけば、予算のムダは大きく減ります。チェックリスト感覚で確認しましょう。

  • スマートキャンペーン任せにしない → 意図ズレで消耗
  • 部分一致×除外なしにしない → 予算が溶ける
  • CV未設定にしない → 良し悪しが判断不能
  • 配信地域が広げすぎない → 対応外エリアへの無駄クリック

サイト運用で避けたい3つ(SEOの地雷)

  1. キーワード詰め込み:読みづらく離脱→CV低下。自然な日本語を最優先。
  2. 被リンク購入:短期的でもペナルティのリスク。一次情報や正規の紹介リンクで。
  3. 量産記事(体験なし):E-E-A-T不足。実体験・数値・FAQで“解決”に寄せる。


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