問い合わせが増えるフォーム設計:項目は“減らす”が正解

フォーム最適化 / 実務ノウハウ
入力が1つ増えるほど離脱は少しずつ増えます。まずは「送ってもらうこと」を最優先に。
本稿は減らす・まとめる・後回しの3原則で、送信率を上げる実務ポイントをまとめました。
この記事の要点
- フォームは必要最小限+安心材料で組むのが最短ルート
- 設計の原則は 減らす・まとめる・後回し の3つだけ
- 目的別に“最小セット”を決め、詳細は会話(折返し)で深掘りする
なぜ“減らす”が正解なのか
入力項目が増えるほど、(1)手間が増える(2)考える量が増える(3)個人情報の不安が増える──の3重苦になり、離脱が起こります。
だからこそ送信ハードルを下げることが最優先。細かな情報は、メール/電話のやり取りで回収すれば十分です。
設計の原則(3つだけ)
- 減らす:いま決断に不要な項目は置かない
- まとめる:自由記述1項目で集約できる質問は統合
- 後回し:希望日時や予算の詳細は、折返し時の会話で
よくある“ムダ項目”と代替案
②電話・メール・チャット全必須
③予算の数値入力
②連絡手段はどれか1つだけ必須。
③予算はレンジ選択に(〜50万 / 50–100万 / 100–300万 / 相談したい)。
目的別「最小セット」テンプレ
A. 一般お問い合わせ(最短)
- お名前(必須)
- メールアドレス(必須)
- ご用件(必須・200字程度)
- 連絡手段の希望(任意:メール/電話)
- 同意チェック(必須:個人情報の取扱い)
B. 無料相談(少し深め)
- お名前(必須)
- メール or 電話(どちらか必須)
- 相談トピック(必須:制作 / 集客 / 改善 / 運用)
- 現状URL(任意)
- 希望時期(任意:今すぐ / 3ヶ月以内 / 未定)
- 同意チェック
C. 見積り依頼(商談化を意識)
- 会社名(必須)
- お名前(必須)
- メール(必須)
- 予算レンジ(任意推奨)
- 目的・現状(必須・自由記述)
- 参考URL / 資料アップ(任意)
- 同意チェック
D. 採用エントリー(ハードルを下げる)
- お名前(必須)
- メール(必須)
- ポートフォリオ/実績URL(任意)
- 志望/得意分野(必須・自由記述)
- 同意チェック
送信されやすくなる小さな工夫
(変えると数字が動きます)
- 縦一列で、項目名は入力欄のすぐ上に
目線が上から下へスッと流れて迷いません(横並びは迷いやすいです)。 - スマホ前提で“押しやすい大きさ”に
ボタンやチェックは指で押しやすい約1cm四方を目安に。電話欄・メール欄をタップすると、電話・メール用のキーボードが出る設定に。 - 入力中にやさしく間違いを知らせる
確認ページでまとめて赤エラーではなく、打っている最中に「ここは◯◯が必要です」と表示。 - 自動入力を使えるようにする
お名前・メール・電話は、端末に保存された情報が自動で入るようにして手間を減らします。 - 必須と任意をはっきり書く
本当に必要なものだけ必須に。任意は“任意”と明記。必須だらけは不信感につながります。 - 確認ページは省いて、完了画面を分かりやすく
入力 → 送信 → 完了(サンクス)に一本化。誤送信が心配なら、送信前に小さなプレビューを表示。 - 完了画面で“次の行動”を示す
例:日程予約ボタン、資料ダウンロード、SNSフォロー。送った後に迷わせません。
数字の見方(ここだけは押さえる)
- 送信率=送信数 ÷ フォーム閲覧数
「フォームを見た人」のうち、実際に送ってくれた人の割合
例:100人が見て20人が送った → 20%(ゴールの基本指標) - 開始率=最初の入力イベント ÷ フォーム閲覧数
「フォームを見た人」のうち、何か1つでも入力を始めた人の割合
ここが低い → 見出し・導入文・項目数を見直すサイン - つまずきポイント(中断項目)=各項目のフォーカス開始 − 送信完了
どの質問で多くの人が止まったか
例:電話番号で離脱が多い → 削除 → 任意化 → 選択式化 の順で改善
導入前チェック(10項目)